クーリングオフ、悪徳商法、詐欺等のご相談 林勘市法律事務所

商品先物取引で被害にあったら

突然電話等で「いま金が値上がりしています。必ず儲かりますので,話だけでも聞きませんか」等と勧誘を受け,しつこく面会を求めてくるので面倒くさいし,少し興味もあったので,喫茶店などで外交員と面会し,「必ず儲かります」「私に任せて下さい」などという言葉から相手の会社を信用し,証拠金を預けたところ,その後,「追証が必要です。すぐに払わないとあなたの預けたお金がなくなっちゃいますよ」などと言われ,何度もお金を支払わされ,結局多額のお金を払わされてしまったというようなことはありませんか。

上記のような商品先物取引の勧誘によって,一般の消費者が多額の損害を被る例は後を絶ちません。

中には,この取引を続けるために金融機関から借金を重ね,破産まで至ってしまう悲惨な事例もあります。 

中には,自分の責任で取引に入ってしまったのだから,もうお金は一切返ってこないと思われている方もいるかと思いますが,以下のように商品先物会社があなたの無知につけ込んで,取引を勧誘しているような場合は,その商品先物会社の勧誘行為やその後の取引継続行為が違法になることがあり,この場合は損害賠償を追及することができます

どんな場合に違法となるのか?


1.適合性義務違反

法律は,知識,経験,財産の状況,契約を締結する目的に照らして不適当と認められる者を先物取引に勧誘することを禁止しています。
先物取引は,極めてハイリスクの取引です

いままで株その他の投資経験の全くない方や余裕資産のない方,また,資産があっても,資金として取っておく必要があり,その資産を投資に振り向けることができないような方は,本来先物取引のようなハイリスクな取引を行うのに不適当な方といえます。

このような方を先物取引に勧誘することは違法とされているのです
特に,先物取引会社は,取引未経験者に対しては「新規委託者保護義務」というのが課されており,取引未経験者に取引の始めから多額の建玉をさせたような場合は,特に違法性が認められやすくなります。 


2. 説明義務違反,断定的判断の提供

また,商品先物取引業者は,本来,取引を勧誘するにあたって,顧客に取引のしくみやそのリスクについてきちんと説明しなければならない義務を負っています。
しかし,多くの業者は,一般の消費者に取引の勧誘を行う場合,先物取引のリスクをきちんと説明せず,むしろ,「必ず儲かります」「私に預けておけば大丈夫です」などと儲かるような話ばかりをし,きちんとした説明をせず,また法律に定められている説明内容をざっと説明するだけにとどまっていることが多いのです

このように,「利益が確実だ」などと言って勧誘することは,「断定的判断の提供」と言って,違法になりますし,先物取引のリスクやしくみをきちんと説明しないで取引の勧誘を行うことも「説明義務違反」と言って違法になります。 

3. 過当取引,特定取引

さらに,先物取引業者は,顧客が取引(建玉をする)たびに,手数料が入るしくみになっています。

そのため,業者の中には,手数料を稼ぐために,無意味な売買を繰り返したり,自らの利益を上げながら,顧客に損害を与えるような取引を行っている場合も少なくありません
特に,建てた建玉(例えば買玉)に損失が生じた場合などにこの損失をカバーするためと称して,この玉と反対のポジションの建玉(この例では売玉)を建てさせるいわゆる両建という手法を取る場合がよくあります。
両建は,売り買い双方に証拠金が必要になるし,手数料も倍額必要になるのに,どちらに値が動いても片方の玉は利益がでるが,片方は損になるので結局時間稼ぎ以外の意味のない場合がほとんどです。
そのため,この両建勧誘は,無意味な取引勧誘として違法とされる場合があります。

また,これ以外にも,既存の建玉を仕切って同一日内に同じ建玉をすること(直しといいます)やこれまでの建玉を仕切って同一日内に反対の建玉をすること(途転といいます)などが繰り返されると,委託者にとってリスクが大きくなる反面商品取引員はその分手数料を稼げることになり,違法とされる場合がでてきます。 


4. その他の違法とされる要素

これ以外にも,商品取引員が委託者に勝手に建玉をした場合(無断取引),委託者が商品取引員に任せっきりにして取引をした場合(一任取引)は,その取引は違法になりますし,また,商品取引員が委託者からの手仕舞いの要求を拒否したり,遅延させたり(仕切り拒否・回避)することも違法となります。 


※ 違法な取引と認定された場合,損害賠償が認められるのか?

商品取引員に今述べたような違法性のある勧誘行為や取引行為の事実が認められる場合は,その取引にかかる一連の取引が不法行為にあたるので,証拠金として拠出した金額や慰謝料,弁護士費用などを損害賠償として請求できます。

ただし,委託者側にも先物取引に入ったことについて過失が認定されることが多く,この場合は過失相殺によって賠償額が減らされてしまうこともあります。 


法的解決方法

法的解決に至るまでの手順は,概ね以下のとおりです。 

1. 手仕舞いをしていない場合

ご相談の上,全玉手仕舞いの内容証明を相手方に出します。
法的手続にはいる場合は,最終的な損害額を確定する意味もありますし,通常,商品取引員に違法行為がある場合がある場合が多いので,まずは全玉を手仕舞うことをお勧めしています。 


2. 取引の分析

また,口座開設申込書,売買報告書,残高照合通知書などをお手元にある資料を分析させていただき,また,取引に至る詳しい事情をお聞かせいただき,商品取引員の行為に違法性はないか分析をいたします。 


3. 内容証明の発送,交渉

その後,商品取引員の行為の違法性の特定ができたところで,通常は,先物会社に損害賠償を請求する内容証明を発送いたします。
そして,その後,先物会社の担当者と交渉するなどして,解決に至る事例もあります。 


4. 日本商品先物取引協会のあっせん・調停手続,民事訴訟

この交渉でまとまらない場合は,日本商品先物取引協会(日商協)でのあっせんないしは裁判所に民事裁判の手続きを行います。
日商協のあっせんは,先物取引に慣れた専門員のあっせんである上,手数料がかからない点でメリットがありますが,手続が始まるまで若干時間がかかるデメリットがあります
訴訟の場合は,逆に手続自体はすぐに始まりますが,裁判官によっては先物取引への理解が十分でない場合もありますし,始まってからが時間が長くかかり結果的に日商協の場合よりも時間がかかってしまう場合もあります。
この点は,事案によってご相談の上方針決定をいたします。 


弁護士費用の基準額

下記記載はあくまでも目安ですので,ご相談により決定させていただきます

1. 取引分析費用(取引が1年以上に及ぶ場合)

15万円(消費税別)
*取引回数が多くない場合は,この費用は発生いたしません。 


2. 着手金(事件前にいただく費用) 

a 訴訟・日商協のあっせん
請求額が300万円以下の部分          8%(消費税別)
請求額が300万円を超え3000万円以下の部分 5%(消費税別)
請求額が3000万円を超え3億円以下の部分 3%(消費税別)
(例)
請求額が500万円の場合
300万円×8%=24万円
200万円×5%=10万円
34万円×1.05(消費税分)=35万7000円 

b 交渉
aの費用の3分の2
交渉から引き続き,訴訟,あっせんに至る場合は,あと3分の1の費用をいただいて,訴訟,あっせんに移行いたします。 


3. 報酬(事件終了後相手方から得た金額からいただく費用)

受領額が300万円以下の部分          16%(消費税別)
受領額が300万円を超え3000万円以下の部分 10%(消費税別)
受領額が3000万円を超え3億円以下の部分 6%(消費税別)